2007年10月24日水曜日

金融サービスの品質

身内に高齢者がいて、いろいろと気づかせてくれます。

先日は、金融機関で、○○グローバル△△なる投資信託を以前に買ったのだが、どうなっているかよくわからない、とのことでした。

いわく、
「送られてくる紙をみてもよくわからない」
「なんだか分配金が出ているようだが、多かったり少なかったりする」
「そもそも、近くに支店がないので、記帳できず、状況がわからない」

けっこうがく然としました。

この商品自体は、調べてみると世界の債権70%、株式30%で運用していて、まあそれほどハイリスクではありません。

もちろん、銀行の販売ですから、購入時に3%、信託報酬1.2%/年(!)はしっかりとられています。

疑問なのは、例によって、顧客のニーズをまったく考えずに、おそらくノルマをあげたいがために売っていることです。

いったい何のための運用なのか、ニーズをくみとって商品をすすめたとは思えません。

また、商品の内容についてもほとんど理解していません。
元本の基準価額が変動すること、分配金も運用状況によって額が変わること、当然ながら元本割れがあり得ること、・・・。

もしも、すぐには必要のないお金で、ほっといて増やしたい、ということであれば、分配金をもらって普通預金にほったらかす運用は、効率が悪く薦められません。
しかしながら、これでは、そんなことを論じるはるか手前の次元です。

きわめつけは、「銀行の人が、これを買ってくださいというから買ったんだけど」のひとことです。
もしななにか問題が起きたら、顧客も痛みを負うでしょうが、販売者も無傷ではすまないでしょう。

そして、強く感じるのは、金融サービスの品質向上には、顧客の学習・意欲・マネーIQが不可欠ということです。
モノ言わぬ高齢者が、言われるがままに金融商品を買う限り、サービス提供者はラクであり、競争力がつかないでしょう。

日本は、モノの品質には世界トップクラスでうるさい国だと、海外からの参入者は口をそろえて言います。
金融サービスの品質にも、同じようにうるさい国にしていきたいですね。