2007年6月11日月曜日

本と映画

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」をまず本で読み、次に映画を見ました。
原書と違う部分が多く、戸惑いました。一方で、風景の描写など、映画ならではの部分もありました。
ただ、原書で自分が共鳴したり感動した部分が端折られていたり、変えられていたりすると、やはり残念です。
一例をいえば、オカンが死んでからあけろと言った箱には、やりくりをしてためた貯金の通帳があり、その伏線としては苦しくて年金保険料を払えなかったので年金はもらえない、作者がそのような年金制度に怒る、というくだりが本にはあります。そこに、母親の生きる力と子への愛情の強さを感じてジワーっと心にしみました。映画では、母からの手紙(ノート)を大きな箱の中から取り出して読むだけです。

以前にも、フレデリック フォーサイスのスパイ小説が好きで、「戦争の犬たち」という作品がとりわけ好きでしたが、その映画というのを見て、あまりのひどさにあきれ、怒りをおぼえたことがあります。


一方で映画は映画で、すばらしい脚本による偉大な作品が多くあります。
それらの解説本は、あくまでも補助的なものでしかありません。
やはり、本と映画は別物と思ったほうがよさそうです。