2007年11月20日火曜日

敗北を抱きしめて

第2次大戦後の日本の歩みをたんねんに書いた「敗北を抱きしめて」(ジョン・ダワー著)を読みました。
意表をつかれたのは、この本では、1945年から1952年まで、日本は実質的に米国の植民地だったとみなしていることです。
日本は、アジアの中でも、その歴史において植民地化されたことのない数少ない国のひとつであると思っていました。
しかし、たしかにいまの日本は、まるで米国がMaster Countryであるかのような状況が多々みられます。
安全保障はもちろんのこと、経済しかり、文化しかり。
かつて、阿片によって悲惨な植民地となった上海を見た高杉晋作は、日本をこのようにしてはならない、と血をはきながらの行動に出ました。
「誰かが大昔に木を植えたから、今日誰かが木陰にすわっているのだ。」ということばがあります。
先人から受けた遺産を、しっかりと次に渡していかなければなりません。