2007年4月26日木曜日

勿体ない

大学の比較文化論を聴講していて、「勿体ない」という言葉についてあらためて考える機会をもらいました。
広辞苑によれば、勿体とは「物の本体」であり、勿体ないとは「ものの本体を失する」という意味だそうです。複数の意味がある中で、「過分のことで畏れ多い。かたじけない。ありがたい。」という意味があります。
お年寄りの方が、なにかよいこと(贈り物をもらったり、親族にめでたいことがあるなど)があると、「もったいないことだ」と言います。宗教学者の人が書いた、日本人の自然観、無常観として知らず知らずのうちにしみついた感覚だ、という文章を読み、なるほど深い背景があるなあと思った次第です。
私がやりたいのは、勿体ないのもうひとつの意味(より一般的に使われる意味)である「そのものの値打ちが生かされず無駄になるのが惜しい」という感覚をベースとして、「あるものを活かす」ための基盤をつくることです。それが実は、「かたじけない。ありがたい。」にも近いなあ、などと思っています。