2008年5月31日土曜日

自分たちがNo.1

私が以前に勤めていた会社は、業界最大手の1つで、「この業界では自分たちがNo.1である」とすりこまれ、本当にそう信じていました。
「この業界で仕事するなら、いまの会社が一番。外に出るのは他業界の場合のみだ」とまで考えていました。

いま思えば、ただの傲慢と無知、世間知らずでした。
井の中の蛙、大海を知らず。

規模や業績では1番かもしれませんが、文化や取り組めるテーマや継続性など色々な尺度でみると、すばらしい会社はいくらでもありました。

「自分たちがNo.1」というのは、組織にとっては士気を鼓舞するにはよい言葉ですが、個人にとっては機会損失になりかねない妄想かもしれません。

2008年5月25日日曜日

遠距離通勤

久しぶりに会った知人が、長野県から東京都内に新幹線通勤をしているといいます。
時間は2時間弱。

こどもがこれから小学校ということで、住みやすい環境を選んだとのこと。

私自身、新幹線通勤が10年ほどになります。
「新幹線の振動による疲労がたまって、何年もすると身体がガタガタになるぞ」と言われたりもしましたが、いまのところ大丈夫なようです。

郊外には、ゆったりとした時間の流れと隣人のあたたかさがあります。

一方で、通勤に時間を使うと不愉快度指数が高まる、という見方もあります。

人それぞれでしょうが、悩ましいところではあります。

2008年5月17日土曜日

エッセーの力

著名人のエッセーも面白いですが、一般の人の何気ないエッセーにはっとすることがあります。
(ブログもそうですね。)

町内の回覧で回ってくる社協の広報誌にのっていた、聴覚障害者の女性のエッセーがそうでした。
このような内容です。

友人とレストランに行ってメニューを指さしながら注文したら、若いウェイトレスが同じようにメニューを指さしながら確認してくれた。しぐさがろうあ者そっくりで、実にわかりやすい。
ほかのお客への応対をみていると、普通に言葉をかわしながら確認しており、それぞれのお客に合わせた応対が無意識にできている。
友人と、彼女はCODA(コーダ)に違いないと話した。
CODAというのは、ろうの両親をもつ聞こえる子どものこと。
彼女のように気の利くやさしいウェイトレスがたくさんいてくれたら嬉しい。

静かな文章ですが、ガツンとくるパワーをもっています。

  • 注文の確認をぺらぺらしゃべられても、聞こえなかったら困るよなあ。でも、迷惑そうにまくしたてるだけのウェイトレスもいるのだろうなあ
  • CODA(Children of Deaf Adults)という言葉すら知らなかった。苦労し、悩んで成長するのだろうけど、きっと心やさしい人間になるだろうな
  • バリアフリーとかなんとかいうけど、1人1人の個人が、相手の立場にたって共感したり、理解することが基本だよな
  • ウェイトレスのプロというべき彼女に見習うことは多いな

などなど、いろいろと考えさせてくれ、またうれしい気持ちと希望をくれます。

なんだか、心にずっしりときました。

2008年5月6日火曜日

黒枠

冷や汗をかくときがあります。
思いもよらない失敗をしたときです。


もう20年以上も前に、所属していたグループの年次レポートの編集をまかされていました。
1回目の編集がわりと好評で、調子にのっていたのもあります。
2回目(2年目)の表紙を奇抜なものにしたいと、写真を真中にもってきて、強調するために太い枠をつけました。
枠の色は黒です。

すりあがったものを見て、理事長が絶句しました。
すなわち、写真の黒枠という、とんでもないことをしていたわけです。


当時20歳そこそこで、黒枠が縁起でもないという社会常識をもたない非常識男でした。
いま思い出しても冷や汗が出ます。頭の中が白くなります。


読売新聞の報道を見て、あらためて思い出しました。
担当者のうっかりだったとしても、常識ある人のチェック(上司、同僚、印刷会社など)があれば起きなかっただろうなあと思います。

逆説的には、こういうことがあるとあらためて、昔からの慣習を知ることの大切さを知る機会を与えられるのではないでしょうか。前向きに考えるとしましょう。



以下、YOMIURI ONLINE からの引用です。


木更津市が4月10日に発送した、後期高齢者医療制度(長寿医療制度)に基づく保険料の通知書について、市民の間から「封筒のデザインが訃報(ふほう)を連想させる」などの苦情が相次いでいる。
 この封筒は紙の色が白く、対象者の名前を太い黒枠で囲んだデザインとなっている。市保険年金課は4月15日の保険料徴収開始日を前に、75歳以上の市民約8100人に封筒を発送。ところが、その直後から「遺影のようで不愉快」などと訴える電話が20件ほど寄せられた。
 同市では市民税通知書は青、国民健康保険は緑色などと、市民が判別しやすいように封筒を色分けして送付している。
 同課は「お年寄りの方が文字をはっきりと見やすいように工夫したつもりだが、配慮が足りなかった」と釈明している。
(2008年5月2日 読売新聞)

2008年5月5日月曜日

キャンプの魅力

こどもたちが、湘南自然学校のキャンプから帰ってきました。
西伊豆で2泊3日。
4歳の娘は、ホームシックで泣いたりしたそうですが、帰宅すると楽しかったことをしゃべり通しでした。

リーダーとよばれる引率者の方々は、さすがキャンプのプロという印象。
それぞれの子のキャンプでの動き方、長所、これからさらに伸ばしたいところ、などを丁寧に書いてくれています。
なにしろ、1日24時間密着した上でのフィードバックなので、納得です。

これがもしもキャンプに行かずに家にいたら、「時間を有意義に使え」という親と「のんびりしたい。うるさい!」という子との葛藤に明け暮れ、親子共にイライラがつのっていたでしょう。

なにごとも、プロにまかせるに限る!とあらためて痛感しました。

2008年5月2日金曜日

ジバク

「嫌われ松子の一生」の山田宗樹の「ジバク」を読みました。

ファンドマネジャーから人生が暗転し、転落していく主人公と同じ年代なので、よけいにひきこまれて一気に読みました。

豊かな人生をつくっていくのは、地道で時間のかかること。
一方、それを崩すのは簡単であっという間。

そんなことをしみじみと感じます。

一方で、主人公が悲惨な人生を振り返り、燃えるような心でいたころを愛しむシーンは、感動的です。
世間的には悲惨でも、本人にはかけがえのない瞬間、生の証。そんな時間をもてることは幸せです。

なかなかの力作でした。

2008年5月1日木曜日

ガソリン行列

ガソリン行列に並びました。
国道沿いのスタンドで、20-30台、朝からずっと並んでいるとのことです。
それぞれ10-20分待たされ、アイドリングで排気ガスは出続け、通行車両には渋滞で大迷惑。

この混乱、ますます政治不信になります。

世情にいやな空気が出始めるときというと、歴史はインフレを思い出させてくれます。
かつて来た道がまたやってこないことを切に願います。